Home
/
概 要
/
構 成
/
活動実績一覧
/
ビジネスプロデューサ
/
オンラインコンサルティング
/
ビジネスモデル特許
第五回
業種別コンサルテーション 〜サービス業編そのニ〜
桑山 義明(株式会社シーガル 代表取締役)
今回はコンサルティングレポート最終回となります。テーマは、前回に引き続きサービス業の例をご紹介します。東京にあるN社のAさんにお会いしました。
MBAのオンラインコンサルティングの結果を拝見すると顧客/商品ポジショニングは、第IV象限のフリー顧客に特定の商品を提供する会社で、情報化進捗度は3段階目のネットワーク化が完了している状態の企業です。
売上規模1〜5 億、従業員規模50〜99人で東京のほかに関西にも拠点があります。特定趣味の分野を対象に、管理業務のほか、通信販売による色々な商品なども扱っています。
ポジショニング:
取扱商品・サービスは、規格品と特注品の割合がほぼ半々ながらやや規格品が多く、顧客は、固定客と不特定客の割合がほぼ半々ながらわずかに不特定客が多い結果となりました。
情報化進捗度:
販売仕入管理や財務会計システムなどのアプリケーションがネットワーク上で稼働している状態でした。
システムは構築されているがバラバラ状態
今回ご相談があったAさんは、社の代表の方ではありませんが本部の情報システム管理の一部担当ということで、この無償コンサルティングに申し込まれました。
社内には、40台ほどのパソコンがありネットワークにも接続されているので情報化進捗度もネットワーク初期状態のレベル 3 でした。しかし、ヒアリングを進めていくうちに接続されているシステムもバラバラの状態で、全体の管理責任者もいない、すなわちシステム全体を把握している人がいないシステムということが分かってきました。構内の情報システム全体をある部署が管理するということではなく、販売関係は販売関係、経理関係は全体とは切断されたシステムを稼動、会員(顧客)や会費入金管理にはまた別のシステムが稼動していたりと、全体としての整合性がとられていない状態なのです。折角ネットワークが構築しているのに社内メールシステムやグループウェアソフトなども導入されていない状態でした。さらに、ホームページも公開されており、これまた別の部署で管理運営されています。
ネットワークが構築されていても業務フローやデータフローを調査、分析して最適化しなければ、まったくの『宝の持ち腐れ』の状態となってしまいます。今回ご相談を受けた N 社の A さんのところは、まさにこの状態でした。
社内外の情報化には、トップの理解が不可欠
今回のご相談の問題点は、情報化に対するトップの理解と判断にかかっています。
業務フローからみれば組織全体にデータや情報は、シームレスに流れていかなければ意味がありません。ネットワークが切断されているところは、紙媒体や口頭連絡などで転記作業や集計作業をしなければいけません。しかも、その転記によるミスや時間のロスが考えられます。
それぞれの部署の役割がはっきりしており組織が膠着していると、ややもするとお客様の方を見ずに組織間でのデータや伝票の受け渡しが重要視される傾向になってきます。その結果として、サービス業では顧客満足度の低下へつながってしまうのです。
この解決方法は、技術論ではなくトップの情報化への理解と実践しかありません。事実、Aさんも現状のシステムの不具合をいかにトップに説明するかを苦慮している状態でした。
経理関連にしても、お金を扱っているという重要部門のためもあり、データがもれたりウィルスやハッカーの侵入を過度に恐れるため他の業務部門とのネットワークに接続せず独自のネットワークを構築したりするケースも多く見受けられます。
しかし、会費の回収や通販商品の入金のチェックなど経理部門は、他の業務の最終チェック点としてのデータが溜まる部門なので、その情報が切断されていると無駄な作業が発生することは目に見えています。
ですから、これらのことを十分にトップが理解し、組織全体にデータや情報がシームレスに行き交うインフラとしてのネットワークを構築する決断をすることがこの解決策になるのです。
社内情報化のデータの縦糸と横糸
多くの中小企業の皆様から情報化について相談を受けるとき、2つのパターンがあります。今回のAさん達のように現場の人たちが、システムの問題点としてなんとかトップを説得する資料や方策を考えている場合と、トップが積極的に情報化を進めていこうとしているのに、現場の特に中間管理職が反対していて、なかなか情報化が進んでいかないケースです。実は、ケースとしては圧倒的に後者の方が多いのです。
特に中小企業の場合、長年同じ職場の同じ仕事をしている人たちが多く、その仕事をよくも悪くも熟知しています。だから、「いまさらパソコンや電子メールなど使って仕事ができるか」と直接トップに言わないまでも、若い部下に常日頃言っているというケースが多くあるのです。
先ほどの業務フローは、組織間のデータ交換ですから横のデータ展開ですが、中間管理職の場合は、組織の上下、縦方向のデータ、情報交換です。社内のデータや情報が組織の縦糸と横糸を縦横にスピーディに流れていくようにしないと、とても変化の激しいお客様や市場にサービスを提供していけなくなるのです。
この問題は、中高年管理職のテクノストレスと話題になったくらいの大きな問題です。パソコンが使えないとまるでダメ人間のように評価するというおかしな風潮がでてしまっては大変ですが、組織全体の情報化推進の要はなんといっても中間管理職の人たちです。
経験豊かな管理職の人たちに、これからはなぜ社内の情報化が重要なのかを理解してもらい充分な情報化教育をしていくことが大事です。ややもするとノートパソコンや携帯端末を与えて、「後は自分で勉強すること。」などという調子で済ませてしまうと折角の情報化がただパソコンを配布しただけの行事に変わってしまいます。
トップの視点と管理職の視点
情報化やIT活用に関してもうひとつ注意しておく点が、「ITを導入してどのようなことができたら成功」と思うかの価値観の違いがあるということです。それは、視点の違いともいえます。
このトップと管理職との成功価値観の違いを現場や管理職が充分に理解できたときに、組織の情報化は飛躍的に進んでいきます。また部分最適のシステムから全体最適のシステムにスムーズに移行していくことができます。
そのためにも、これからの情報化は、その企業のトップの思い(顧客サービス向上、客数増加、あるいは業務効率化など)を充分に反映したシステムを構築していくことが大切になってきます。
おわりに
これで5回にわたるITコンサルティングレポートを終了いたします。
今後も色々な業種でのIT化のケーススタディを、オープンコンサルティングプロジェクト(OCP)のホームページでご紹介していこうと思っています。
このレポートに関してご意見、ご質問などありましたら、下記メールアドレスまでお寄せください。
info@olconsul.com
目次
<< 前へ
Copyright(C) 2000 Open Consulting Project All Rights Reserved.
最終更新日:2003年11月19日 11:32:45