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第一回 |
中小企業の経営戦略とIT:現状と目指すべき姿 〜守りのシステムから攻めのシステムへ〜 |
| 桑山 義明(株式会社シーガル 代表取締役) |
昨年5月、MBA(Microsoft Business Advantage)のサイトにて、「ビルド ユア ビジネス キャンペーン」と題し、オンラインコンサルティングをご利用いただいている企業の皆様の中から業種別に4社の方に抽選で無償コンサルティングサービスをプレゼントするキャンペーンを実施いたしました。多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。 抽選企業は、以下のとおりです。
製造業:名古屋地区 |
卸業:長野地区 |
サービス業:群馬地区 |
サービス業:東京地区 |
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それぞれ業種別のコンサルテーションの詳細は、次回以降お話することとし、今回はオンラインコンサルティングを通して感じた中小事業所全体の現状と情報化について書くことにいたします。
経営戦略を模索する経営者達
この MBA のオンラインコンサルティングを受けにきている経営者の方々は、明らかにインターネットを通じて自分自身でパソコンを利用してきている人たちです。ですから、一般的な経営者よりITに馴染んでいる、あるいはITに強い人たちと思われます。自社のビジネスに対する IT への可能性について少なくとも肯定的に考えている経営者であると言えるでしょう。 多数寄せられた登録データを分析すると、情報技術の可能性について理解が深まるほど、自社の経営戦略とIT戦略をどうたてればよいのか『真剣に悩んでいる姿』がうかがえます。これらの方々は、ただ単純に情報化をすすめることや会計システム導入することなどのHow toではなく、まさにこれから自社の資源をどの事業あるいはどの分野に『選択・集中』していくのかという、Whatである『経営戦略』を模索しているのです。 今回訪問した企業の経営者の方も、共通していることは同様の問題意識です。その結果として構築されるであろう情報システムは、まったく違うアプローチになるものの、発想の原点は、生き残りであり、差別化あるいは顧客囲い込み戦略の具現化です。
成功のビジネスモデルづくり
当然ながらどの経営者も自社の強みと弱みを正確に、あるいは感覚的に理解されています。今後この強み(コアコンピタンス)をより強くあるいはより広げていくために、情報技術(IT)が利用できないかと思っている経営者の方たちが大勢いらっしゃることも、今回のデータ分析でわかりました。 ただ、現在そのような経営者の相談相手がいないことも明らかです。(もっとも、だからこそこのオンラインコンサルティングなる手法を開発したのですが)ITについて分かった上で、経営者とビジネスモデルのディスカッションができる人材が今少なすぎるのです。経営戦略の柱の一つとして情報技術の認知が高まり、ITへの需要が急速に増えていく中、それを提供する基盤が、特に中小・中堅企業の分野において、今まだ未成熟であることは否めません。 そのため、今こそ新しい時代にマッチした戦略を決定して、実行していかなければと思っている経営者の方が、今まさに『脳に汗をかいて』新しいモデルを模索しているのです。 さらに特徴的だったことは、今回訪問したどの企業も地域あるいは業種などで『ナンバーワン』を目指していることです。訪問したどの企業も現在の業績も決して悪くない、無借金経営で、しかも伸びている企業であることは決して偶然ではない気がしています。それは、どの経営者もインターネットや情報技術のリーチの広さや凄さを実感しているからこそ、競合相手や異分野から攻撃を受ける前にいち早く自社のモデルを確立しておきたいという思いなのです。
情報技術は、守りから攻めのシステムへ
従来までの企業の情報化は、会計システムや販売仕入管理システムなどの社内情報化システムであり、それは言いかえれば『手作業の機械化』でいかに『効率』をあげるかという価値であったといえます。
しかしこれからの情報化は、その価値がどこに求められてくるのでしょうか。
あきらかに言えることは、電子メールに代表されるお客様との接点をどうするか、コミュニケーションをどうするかという社外とのコミュニケーションシステムです。このなかには、電子商取引、E-コマース、EDIなどと呼ばれている基幹系のシステムも含まれてきます。
お客様様だけでなく、取引先とも、金融機関ともすべて電子データでやりとりする社外と社内を繋ぐシステムが必要となってくるのです。ですから、『効率アップ』のシステムから『効果をあげる』システムや『自社の商品・サービスのシェアアップ』を狙うのか、同一のお客様を大切にしてそれらのお客様に対する自社の『顧客シェアをアップ』を狙うシステムの情報化をしていくのか選択がせまられてきています。
これからIT化の議論をしていく時には、社内の部分的情報化の議論ではなく自社およびお客様を含めた全体のビジネスモデルの議論が重要になってくるのです。限られた資金を、誤った経営戦略のもと、もしくは経営戦略に結びつかないITシステムにつぎ込んでしまうと、特に中小・中堅企業では死活問題にさえなるのです。そのためにも、経営者がしっかりITについて理解すること、そして、経営戦略とITを一緒に議論できるコンサルタントに相談することが重要です。
では次回から、業種別のモデルについてお話ししていきます。
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